ゴジラの思い出 『三大怪獣 地球最大の決戦』
今週のお題「映画の夏」
『シン・ゴジラ』の感想を読んでいて、ゴジラ映画を初めて観たっていう人がけっこう多くて驚いたのだけど、よく考えたら自分もそんなにちゃんと観ていたわけじゃなかった。映画館で観たのは『シン・ゴジラ』が初めてだし。ただ、父が怪獣好きで、その影響で弟は父と一緒に平成ゴジラを観に行ったりしていたので、テレビで放映されたときなんかは私も横からぼんやりと観ていた。
私が子供の頃(20年以上前)は、なぜか年末の深夜によくゴジラ映画の再放送をやっていた。それで、新聞のテレビ欄でその日に放映されることがわかったら、父にたのんで録画してもらった。その頃のうちのビデオデッキにはまだ録画予約機能がついていなかったので、番組が始まるちょっと前に録画ボタンを押して、終わったら停止ボタンを押すのだ。ところが父はよく寝落ちして、映画が終わった後も延々と録画されたりしていた。深夜のCMは長い。
そうやって地上波放送を録画したビデオテープに弟がタイトルを書いたシールを貼ってコレクションしていた。私と弟が一番繰り返し見たお気に入りは『三大怪獣 地球最大の決戦』だ。私にとってはこれが唯一おぼろげながら内容を覚えているゴジラ映画である。キングギドラが初登場した作品で、ゴジラ・ラドン・モスラ(幼虫)の3怪獣が地球に襲来したキングギドラと戦うお話。子供心にわくわくするシーンが多い。うろ覚えながら印象に残っているシーンを挙げてみる。
「私は金星人です」と道端で主張し、キングギドラの襲来を予言する謎の女性。
その謎の女性をつけねらう男たちと主人公の男の間で突如始まる銃撃戦。
襲来するキングギドラ。
モスラが呼びかけ、ゴジラ、ラドンも集まるも、2怪獣は最初戦うことを拒否。モスラが懸命に説得する。モスラたちの会話を人間に通訳してくれる小美人。
「『何で俺たちが人間の味方をしなきゃならないんだ』ラドンも『そうだ、そうだ』と言っています」
キングギドラ相手にけなげに立ち向かうモスラの姿を見て、ゴジラ、ラドンも加勢。
モスラ、ゴジラ、ラドンの3怪獣の協力で、キングギドラを追い返す。
子供の頃の私はモスラによる説得の場面が大好きだった。小美人たちが通訳してくれるのもかわいい。大人のゴジラファンからすると、あの場面はちょっと子供染み過ぎてると感じるらしいけど。
でも悲しいことに子供の頭では大人の登場人物の会話内容についていけなくて、前半の人間ドラマパートがほとんど理解できていなかった。なので「私は金星人です」と言っていた女性は結局何者なのかとか、狙われていた理由はなんだったのかとか、あまりよくわかっていない。いま調べてみると、自称金星人は某国の王女で、5000年前にキングギドラに滅ぼされた金星から地球に逃れてきた人間(!!?)の末裔であり、冒頭の事故による記憶喪失の間に予知能力が目覚め、祖先からのメッセージを発していたらしい。真相がわかったらわかったで、なかなかとんでもない設定だった。彼女をつけ狙ってたのは王女暗殺団。そして主人公は王女の護衛を命じられた刑事だった。いや、主人公が刑事っぽかったり、“王女”という単語が出てきたりしたのは覚えてるんだけど、でもよくわかってなかった…。
自分的にお気に入りのシーンがあれば、ストーリー全体を理解していなくても、何度も見るんだな、子供って。
というわけで、もしゴジラに興味津々の子供がいて『シン・ゴジラ』を観るのはまだちょっと早そうだったら、『三大怪獣 地球最大の決戦』はおすすめかも。
「なつやすみの宿題 57577」 提出します
夕焼けと青空のグラデーションを誰かと分かちたい帰り道
いつまでも終わらぬような夕暮れの朱鷺色消えてはしゃぐシグナル
君の持つペットボトルの水滴がひやりと染みたうなじの熱さ
君が食むソフトクリーム溶け落ちた地面はきっと甘いのだろう
給食と便所のにおい入り混じる廊下に並ぶ戦の写真
一度だけ蝉の羽化を見た夜のポラロイド写真どこにやったの?
漆原友紀原画展を見に岩国へ
行ってきました。
『蟲師』の漆原友紀先生の出身地である岩国で原画展が開かれるとのことで、これは絶対行きたい!と思い、日帰りで岩国まで行ってきました。ちなみに9月19日まで開催されているそうです。
会場が岩国シロヘビの館というところで、シロヘビの館って何だ?と行く前から気になっていたのですが、岩国はシロヘビの生息地だそうなんですね。昔からシロヘビにまつわる伝承も残っていて、そんな岩国のシロヘビについて楽しく学ぼうというのが、この施設の趣旨のようです。
そして、現地に行って初めて知ったのですが、その伝承を紹介する岩国白蛇物語のコーナーのイラストを、何と漆原先生が描かれているんです。これは実際行かないと見れないので、これを見ただけでも行ってよかったと思いました。五つの伝承それぞれに一枚絵が描かれており、はぁー、漆原先生の絵だ…雰囲気ぴったりだ…とうれしくてにやにやしてしまいました。単に地元のマンガ家だからというだけでなく、昔の日本の風景や、生き物でありながら怪異のようでもある白蛇という存在、これらを描くのに漆原先生ほどふさわしい人はいないなぁと、この組み合わせに感動しました。このコラボ思いついた人グッジョブ!そういえば『蟲師』でも白蛇のような蟲が描かれていましたよね。
さて、原画展の方ですが、こちらは常設展の一角にこじんまりと設けられているという感じで、作品数自体はそれほど多くなかったです。そもそもこのシロヘビの館自体がそれほど大きな建物ではないんですよね。でも、漆原先生のカラー原画を見られたので、それだけで興奮したし満足でした。全部『蟲師』関連ですが、私は見たことのない絵がほとんどだったかな。私は単行本派だったので、単行本の表紙くらいしかカラー絵を見たことないんですよね、そういえば。
常設展のシロヘビに関する展示もけっこう楽しかったです。シロヘビの中身の模型とか。身体が細長いと、臓器も細長くなるんですね…。ゲームとかクイズの機械も並んでて、素朴ながら凝っていて、楽しく遊んでしまいました。本物のシロヘビも何匹かいてガラスの外から見ることができます。かわいかったなー。
ここシロヘビの館は錦帯橋と岩国城の間という観光地ど真ん中にあるので、原画展見にきたついでにさくっと岩国観光できちゃうのがとてもよかったです。行く前は原画展のことしか考えてなかったんだけど、来てみたら、あ、余裕で城にも行けるじゃん、って感じで。錦帯橋はそもそもここを渡らないとシロヘビの館に行けないしな…。
ありがたいことに天気がよかったので、錦帯橋と錦川、その背景の山々と空の色彩がそれはそれは美しかったです。学生時代にも一度、岩国観光したことあるのですが、たしかそのときは小雨が降っていた記憶があるので、ここまで感嘆するような美しさではなかったんだろうな。
写真だとわかりづらいのですが、川面の色が場所によって異なっていてエメラルドグリーンだったり、碧色だったり。空や山が映り込んでいたり。
漆原友紀先生の描かれる深い緑、その原点はここ岩国にあったのだなと、実感した旅でした。
最近気になってる言葉 「あざとい」とか「無理」とか
ツイッターとかやってると、どんどん言葉って変わってくなぁって思う。従来の言葉の意味に、新しい意味・用法が付加されていく。「ヤバイ」がほめ言葉で使われるようになったっていうのはずいぶん前から言われてるけど、これはもう当たり前になっていて。最近私が気になってるのは「あざとい」と「無理」。
「あざとい」は、本来は「抜け目がない」「やり方が汚い」といった否定的な意味の言葉なんだけど、そこから、「思わず“あざとい”と言いたくなるくらい可愛い」という賞賛の意味も半分含むようになってきてるんですよね。でもこれ、ネットではもうだいぶ前から当たり前に使われてるけど、ネット文化に親しんでない人にはあまり通じない場合も多いみたいで。何かのテレビ番組で、「バカリズムがツイッターに自分の可愛い笑顔の写真を載せていてあざとい」というような視聴者の投稿があったんだけど、番組内の芸能人たちは否定的な意味に受け取ってたもんなぁ。「視聴者には(意図的だということが)わかってしまうんですね」ってわりと真面目にコメントされていて、観てる私はあ~っと思ってしまった。説明してあげたい。あざといと思うということは、「可愛いと思わされてしまった」と認めているということで、相手の自意識を揶揄しつつも「はいはい可愛いですよ。参りました」ってことなんですよね。このニュアンス難しいけど、私はこの「あざとい」という新しい用法、嫌いじゃない。
「無理」の方は、ほんの最近、その使い方が気になるようになった。以前から「可愛くて無理」みたいな使い方はあって、要は「その可愛さに自分は耐えられない=無理」ってことなんだけど。若い世代のオタ界隈で特に広まってるのかな。これが「可愛くて」とか説明がついてればいいんだけど、最近ツイッターで見かけるのは、たとえばAというキャラが大好きなときに「Aがご飯粒ほっぺにくっつけてるの無理」「AがBと仲良くしてるの無理」「A無理」とかそんな使い方なんですよ。180度反対の意味にとられる可能性あって、見かけるたびにぎくっとしてしまう。まぁ、文脈わかってれば、「無理」という言葉の意味を誤解してのトラブルってのはそんなにないとは思うけど。でも、そのうち「やばい」同様、レストランの料理とかにも使われたりするようになるんだろうか。「このパスタ無理~(美味しい)」みたいな。(それとも、私がオタ界隈の表現と思い込んでるだけで、実はもうなってる?)「やばい」や「無理」の新しい用法は、ただただ過度な表現を追い求めたって感じであまり好みではないかなー。でも、若者言葉はいつの時代も新しい強調の表現を追い求めてるものだよね。
『ハイキュー!!』 白鳥沢の選手たち
仕事でもやもやしたことがあったので帰りがけのコンビニで何か気分の晴れるものを買おうと思い、手にしたものが『ハイキュー!!』21巻だったんだけど、これがもう想像以上のヒットでした。
私は『ハイキュー!!』のコミックスは持ってなくて、ジャンプ本誌で読んでたこともあったけど、ここ最近はジャンプ読んでないのでネットでの他の人の感想が唯一の情報源でした。21巻もコンビニに置いてるから最新刊だろうというくらいの認識で買ったんだけど、この巻は春高予選決勝、烏野VS. 白鳥沢戦の決着がつく巻だったんですよね。もうこれがめちゃくちゃ面白くて、すぐに白鳥沢戦の残りの巻(17~20巻)も全部買ってきて読んでしまいました。何がそんなに面白かったかっていうと、白鳥沢の選手のキャラや関係性がすごくツボで。平たくいうと、白鳥沢の沼にドボンしてしまいました。
※注意:上にも書いたように、ハイキュー!!に関しては読んだり読まなかったりで何となく知ってる部分もあれば、抜けがあったりもします。そんな人間の書いた感想です。
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