緋綸子の雑記帳

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『黒子のバスケ』246Q感想(2014年ジャンプ9号)

黒子のバスケ』246Q感想です。

ネタばれ注意です。

 

 

 

先週は誠凛選手全員の心が折られてしまうという描写で、どうなることかと思った今週号。人間って単純なもので、主人公が負けてる描写が続くと、好きな作品であっても「つまらない」などと思ってしまうのです。特にコミックスでの一気読みじゃなくて本誌連載中に読むと、1話が短くて間が空くから、つらい時間がやたら長く感じるのですよ(まぁ、1週間たてば続きが読めるんだから、ぜいたくな話なんだけど)。何だか主人公チームだけでなく、読者の心まで折りにきてるんじゃないかってくらい、藤巻先生は徹底して落としにかかってます。まぁ、このつらさを乗り越えてこそ、この先の感動が待ってるので、今は耐えましょう。

 

そんなわけでずっと誠凛の苦しい展開が続いている本誌ですが、今週面白かったです。ただただ重苦しかった第2Qがやっと終わり、ほとんど誠凛の皆の心が折れかかってる中、気力を振り絞って皆に喝を入れる日向キャプテン。それを聞いて気持ちを持ち直すリコ、伊月。このへんは本当に、いつもの誠凛らしくて、安心します(木吉の描写があっさりで、あまり持ち味が出ていないのがちょっと気にはなりましたが)。そして皆で気合いを入れなおす。黒バスのインターバルの場面っていいよね。各チームの性格が表れてて。

 

けど圧巻は洛山側でした。本当に赤司君の判断は的確で無駄なところがない。感情で煽ったりしない。特に実渕への指示は本当に簡潔にして効果的で、震えました。

「一つで十分だが、可能なら二つとれ。それでもう彼は蚊帳の外だ。」

何のことかと思ったらファウルのことです。日向にファウルをとらせる。ただそれだけの指示なんだけど、誠凛にとってはこれ以上ないほど致命的なこと。赤司に指示をもらって、嬉しそうに口角をあげる実渕もよい。赤司君は中二発言がやたらと注目されますが、普段の発言は洗練されてますよね。「蚊帳の外だ。」とか、別に貶めているわけでもなんでもないんですが、相手からすれば絶望感がただようフレーズ。

 

今回、すごかったのはラスト。まず青峰のセリフ。

赤司は力づくで勝つような雑な戦い方はしない。

赤司はねじふせない。

徐々に首をしめるように相手の可能性を全てつみとる。

 

からの!赤司君のラストのコマ。

まだだよ・・・誠凛

僕が手をゆるめるとしたら それはキミ達が完全に絶命した時だけだ

 

青峰のセリフから、赤司のセリフが綺麗につながってて凄い。別に赤司君は首をしめるなんて言ってないんだけど、完全に読者には、相手の首をしめて、絶命するのを確認するまで決して手をゆるめない赤司君の姿が脳裏にうかんでいるはず。恐ろしすぎる…!

 

赤司君って、今回の試合では別に何も悪いことしてないはずなんですよ。むしろ全く手を抜かずに誠凛と戦っている。それは黒子にとっても望むところであったはず。なのに、この禍々しさは一体…。赤司君の異常なまでの非情さ、冷徹さが表れてる、よい回でした。

 

それにしても黒子君、早く活躍して!!

 

※この感想からもわかるように、管理人は赤司ファンです。