「短歌の目」第10回 12月
「短歌の目」、ひとまず最終回を迎えるのですね。ひと月に10首、私が参加させていただいた第2回から数えると全部で90首もの歌を作ることができました。この企画がなければ、短歌はじめての私が毎月継続して作ることはできなかったと思います。
何より、皆さんに見てもらえるというのが大きなモチベーションになりました。短歌の公募はネット上にもたくさんありますが、そうそう選ばれるような歌が作れるわけないですからね。自分のを読んでもらえて、他の人の歌をたくさん読めて、楽しいと思えたからこそ続けられたと思います。月1回という周期もちょうどよい具合でした。
そして管理人の卯野さま、このような場をつくってくださってありがとうございました。
1. ファー
付け襟のファーははずして引出しにとぐろ巻いたりまるまってたり
2. 密
休日は密かに眠るケータイも鳴らず誰にも忘れられて
3. LED
街中に大量発生今冬もLEDに埋め尽くされる
4. グレーゾーン
正しいと思えてた日は遠くなりグレーゾーンが広がってゆく
5. くま
とりあえず飾ったくまのぬいぐるみ喜べなかった私を責める
6. 石
道端に小石すら見かけなくなって何もないところで蹴躓く
7. イエス
人生のイエス・ノーチャートいつどこであなたと私は分かれてしまった
8. 鐘
窓に耳くっつけて待つ除夜の鐘 テレビの中の鐘の合間に
9. 氷
憧れのドライブはリンクの上でスヌーピーと乗る整氷車
10. 降る雪の
降る雪の白が視界を埋め尽くし窓辺で静かに昂っている