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緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

『進撃の巨人』18巻 第72話 感想

進撃の巨人』18巻、第71話につづき、第72話感想です。私の中では神回。

 

 

第72話『奪還作戦の夜』

ウォール・マリア奪還作戦前夜の壮行会。ちょうど訓練兵解散式の夜と対比して描かれているのですよね。諫山先生が描く宴会シーンのノリ大好きなんですよ。笑いあり、ほろりとくるところもあり。

 

調査兵団上官たちの会議のあとの、リヴァイとエルヴィンの会話。リヴァイはウォール・マリア奪還後のことも考え、手負いのエルヴィンは現場に参加するべきではないと主張する。反論するエルヴィンに

「オイオイオイオイ 待て待て  これ以上俺に建て前を使うならお前の両脚の骨を折る」

兵長。オイオイオイオイってセリフ、ケニーっぽいな。"骨を折る"が当たり前に交渉手段の兵長怖い。「ちゃんと後で繋がりやすいようにしてみせる」っていうのがもう逆に本気っぽい。対してエルヴィン、

「この世の真実が明らかになる瞬間には私が立ち会わなければならない」

それが人類の勝利より大事かと問うリヴァイに「あぁ」と答える。そこまで聞いたリヴァイは「お前の判断を信じよう」と受け入れる。うーん、つらい立場だなー、リヴァイ。この作戦で死ぬ覚悟でいるエルヴィンを見抜いているけど、エルヴィンがそこまで世界の真相を知る夢に固執しているという本音を知ったら、それを止めようとはしないんだな…。

でも、人類の勝利より自分の夢が大事というと、すごくエゴイストな気がするけど、団長がそれだけの人だとは思えないんだよね。やはりこの作戦は団長の指揮なしには無理な気がするし、その指揮のもとで働くことでアルミンがさらに才能を開花させるかもしれないし、団長はそこまで考えてると思う。自分が死んだ後の人類の未来なんて知らん、って人じゃないと思う。そう考えると、リヴァイのほうにこそ、人類の未来うんぬんよりエルヴィンに死んでほしくないっていう気持ちがあるんじゃないかという気もする。これまで持ったどの部下の死にも決して慣れることのなかった人だから。

 

そして、お待ちかねのウォール・マリア奪還前の前祝いのシーン。奮発された肉を前に狂いだす新兵たち。スライスされた皿の上の肉を全部つかんで齧ろうとするサシャを必死に止めるジャンとコニー。コニーはサシャの首をしめながら、「やめてくれサシャ…俺…お前を殺したくねぇんだ…」って泣いてるし。さらに肉を取り返したジャンの手を齧りだすサシャ…「その肉はジャンだ!!わかんなくなっちまったか!?」コニーの必死の形相がwww 意識がなくなっても手あたり次第そのあたりを殴りだすサシャ。その拳をマルロは顔面にくらい鼻血を出すけど、ミカサはお腹にくらってもびくともしないで、「コニー 早くサシャを落として」っていつもの冷静な顔で言ってるのじわじわくる。

このあとのエレンとコニーのやりとりが年相応の少年らしくてかわいいです。

「でも3か月で俺達あのリヴァイ班だ  スピード出世ってやつだよな?」

「お前は天才だからな」「当たり前だろ」

「食おうぜ 飯が冷めちまうよ」

ぽんとコニーの頭に手を置くエレンと、拳をこつんとエレンにあてるコニー。こんなエレン、いつぶりだろう。何気ない会話がうれしくて、でもこの後の展開を考えると悲しい予感しかしなくて、ああああってなりました。この18巻はそんな場面ばかりでしたね。

そして、ひさびさのジャンとエレンの喧嘩ですよ!このところ元気がなく、ジャンの挑発にも乗らなくなっていたエレンが、ジャンの「死に急ぎ野郎」に反応。このときのアルミンとジャンのはっとする表情がね…。もう今までどんだけ心配してたんだよ、エレンのこと。そこからいつものどつき合いへ。そして、次のジャンのセリフが泣けました。

「巨人の力がなかったらお前何回死んでんだ…?その度に…ミカサに助けてもらって…!!これ以上死に急いだら——ぶっ殺すぞ!?」

何かもう、ジャンの、ミカサとエレン双方に対する思いがね…。そして、それに対してエレンがなんと、「肝に銘じとく」ですってよ!あのエレンがなんて素直!今回のジャンとエレンの喧嘩は、ちゃんと対話になってましたね。今までの喧嘩ってお互い平行線だったんですよ。でも今回は、対話してた。なんていうか、エレンは元気になっただけじゃなく、成長したんだなってのを感じました。それをミカサとアルミンも感じたのか、微笑ましく二人を見守るだけで、ジャンとエレンが「何で誰も止めてくれねぇんだ」ってなってるの笑った。そして最終的に兵長が蹴りとパンチを入れて止めてくれるというオチもすばらしい。「お前ら全員はしゃぎすぎだ」「もう寝ろ」「あと掃除しろ」っておっしゃるリヴァイさんは、兵長というより寮長って感じでした。まぁ、その寮には絶対住みたくないですが…。

 

そして解散式の夜と同じく、エレン、ミカサ、アルミンの3人での会話。「オレもっと大事にされた方がいいと思う」というエレンのセリフは意外だったけど安心しました。これまでずっと、自分の体のことなんかどうでもいいって感じでしたからね。 そして、エレンがやっと自分の気持ちを素直に吐露できたことにもほっとしました。自分が巨人化能力をもつことに、ずっともやもやしたものを抱えていたんですね。本当は巨人なんかじゃなく、ミカサやリヴァイ兵長のようになりたかった。その気持ちを受け入れたうえで

「人が人と違うのはきっとこういう時のためだったんだ」

というエレンはこれまで見たことないくらい穏やかに微笑んでて、エレン好きな私は動揺しました。このあと、通りかかった駐屯兵のおっさんを3人とも一瞬ハンネスさんと見間違う場面は切ない。ここでこういうシーン入れてくるところも、上手いなぁと思う。

調査兵団に入った目的や思いはそれぞれ微妙に異なる三人。ミカサは壁が破られる前のあの頃を取り戻せたらと願っている。エレンはとにかく壁外の巨人たちを駆逐して落とし前をつけさせて人類を解放したい。アルミンは壁外の世界を見てみたい。無理にあてはめるなら、三人がそれぞれ見ているものは過去、現在、未来になるのかな。見ているものは違っても、離れ離れになることがあっても、この三人のつながりは変わらないと信じてる…。そして、リヴァイ兵長が一人で立ち聞きしてるのせつない。昼間にエルヴィンの意志を聞き、いま、三人の話を聞き、兵長は何を思うのだろう。なんとなく、エルヴィンとリヴァイ、アルミンとエレンの関係って似てるのかな。エルヴィンやアルミンは、世界の謎や壁外の世界に興味があるけど、リヴァイやエレンは巨人を駆逐して人類を解放することへの思いが強くて、その先は考えられないって感じがする。

 

そして、ウォール・マリア奪還作戦開始の日。住民に歓声を送られ、「任せろおおおお」と応えるジャン、サシャ、コニーたち。エレンたち3人はノーリアクションw  そして、エルヴィン団長も雄叫びを返し、調査兵団出発。一方、待ち受けるライナーとベルトルト。という場面で第72話は終了です。