緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

トイレじゃないところと『秘密』

 

先週体調をくずしていた。というかお腹をこわした。

 

夜23時頃ベッドでごろごろしてたら突然いいしれぬ体内の不快感を感じ、ん?と思った次の瞬間、激しい腹痛をもよおした。トイレに駆け込んで、便は出そうな感じなんだけども、その前に腹痛と吐き気がひどいことになった。さっき食べた夕飯をべっとトイレの床に吐いてしまい、早く便出ろと祈り続けているのになかなか出ず、腹痛でどうにかなりそうだった。トイレの便器に座ってるのすら保てないほどに全身がしんどくて、ふらふらしながら便器をはなれトイレを出て(トイレ暑いんで余計しんどい)、リビングの床(ゆか)に横たわった。腹痛とこのしんどさをおさめるには便を出すしかないし、でも起き上がれないし、あ、これここで出すしかないな…と思って、記憶にあるかぎり初めてトイレじゃないところで出してしまった。

あとから、なんで新聞やチラシを敷くことを思いつかなかったのかと自分に呆れた。ふだん意味もなくためてるチラシ、大いに役に立つのこんなときくらいだろうに。床に横たわる前の一瞬でそばにあるチラシ取って敷くくらいできたのに。申し訳程度にトイレットペーパーちぎって持ってきてたけど、体しんどすぎてそれをどうこうできなかったんよね。

便が出たあともしんどさや腹痛、吐き気はしばらく続いて、便だけじゃなく床にまた吐いちゃったりもして(だからチラシ敷け)苦しみながらベッドに横になり、ああ…フローリングに私の便やら吐物やらある…あとで片づけなならんのやな…と思いながら眠った。

 

床で出すしかないと思ったとき、『秘密』という漫画の認知症の父親を一人で介護する女性の話を思い出していた。現実がつらいあまり、美しい妄想を抱きながら生活しているんだけど、ある日父親が自分の便を家中になすりつけてる光景を目にしていやぁぁっっ…てそのあとどうなるか忘れたけど。とにかくあの光景は彼女の生活の辛さとあいまってショックだったな。

そんな光景が自分ちで現実になってしまった。もちろんこれは自分のだから他人のより気分的にはだいぶましだし、なすりつけてもないけど。すぐに片づけた方がいいんだろうけどすぐには体が動かない。その後もまた腹痛や吐き気がぶり返したりしてベッドとトイレとを往復し、その都度ブツを避けたりまたいだりして半日ほどそのままだった。

片づける元気が湧いたのは結局翌日の仕事を休んだ昼で、便に対しては取り除いたあと床をアルコールペーパーで拭きさらに雑巾で水拭きし乾拭きし、トイレの床の吐物はキッチン洗剤使ったりして何とか片づけた。まあ、子供がいる家庭とかはこのくらいふつうに起こりえて対処していることなんだろうけど。でもやっぱ自分が(出す方を)やってしまうというのは衝撃だった。

 

あの体のしんどさが最高潮だったとき、もうここでするしかないっていう決断は私の脳内で喝采を浴びていた。トイレでしなければならないという常識に固執せず、自分の体のしんどさを少しでも軽くすることを第一に考える姿勢、えらい!!と。トイレに座ってるのもしんどいということがあるのだと知った。

大騒ぎするほどのことじゃないんだけど、何かを乗り越えたような気がした一晩だった。