第3回「短歌の目」5月
最初の3つは私が考えたお題です。3つとも採用していただいて、ありがとうございます。「うぐいす」とか「窓」は先に歌を作っていたので、題詠としては何かズルした気分です(笑)。「並ぶ」については、動詞もあったほうがいいかなと思って挙げたんですが、動詞の題詠って、「並び」とか「並んで」とか活用してもOKなんですっけ?そのへん、よくわかっていないまま送ってしまいました。すみません。
今回、目をひいたお題は「発情」ですね。おおっ!?と思いました。「茜さす」は難しかったです。素敵な枕詞なんですけど。
1. うぐいす
6分間停まる電車の扉より冷たい空気とうぐいすの声
2. 窓
車窓から暗くなりゆく空眺め就寝までの時間を数う
3. 並ぶ
四台のバイクと並ぶバス停で皆右側を向きて待ちたり
4. 水
水飲むとトイレが近くなるからと嫌がる祖父よ また夏が来る
5. 海
太平洋 サンフランシスコから見ても鎌倉から見ても同じ海
6. かめ
かめの名はミドリガメことミシシッピアカミミガメ その赤き頬いとし
7. 発情
南米の鳥のように美しく発情できたらいいのにダーウィン
8. こい
こいのぼり泳ぐ家の前通るとき見知らぬ子らの幸せ祈る
9. 茜さす
茜さす枕木の上横たわり朝日を浴びておやすみなさい
10. 虹
虹を描く 気をつけていても濁りあう水色の空に滲んだ絵の具
うーん、難しかったです。特に、「水」「茜さす」「虹」が。もうちょっと改良できないかとしばらく悩んだけど、思いつかないのでとりあえずこれで。