第4回「短歌の目」6月 自作振り返り
はやばやと自作振り返っちゃいます。そういえば、自作振り返り書くのは初めてだなー。
1.青
赤や黄がCMに出てはいけないの 吸収される青い液体
この歌は、意味伝わるかなと思いながらあげました。生理ナプキンやオムツのCMで吸収力を示すために使われる、水のような液体のことです。赤=血、黄=尿のことですね。
小学生のときに女子だけ集められて生理の授業があったとき、「CMみたいな青じゃなかった」と相談してくる子がいるって話、聞きませんでした?もしくは新米ママが「赤ちゃんのおしっこが(以下略)」みたいな。なんか都市伝説っぽいですよね。それだけ上の世代や教師たちが「いまどきの若い人は生活感がない」と懸念しているということでしょうか。それならそもそも、経血や尿を見せられないテレビとは…と考えてて、この歌ができました。あ、でも、別に本物の血や尿を出せとは思ってません。青い液体でいいですww
2.梅
晴れた日も感じる梅雨の湿り気に皮膚呼吸する私は蛙
じめじめしてると評判の悪い梅雨ですが、乾燥肌なので多少の湿度はありがたいです。ただ、湿度上がりすぎて暑さも加わると、今度はあせもができます。ままならない。
3.傘
私だけ傘持ってると気まずくて準備のよさを呪いたくなる
雨にも人にも臆病です。職場の敷地内で、建物と建物の間を移動するときとか、みんな傘のことなんて忘れてるんですが、私だけはわざわざ持ってきてしまうのです。それでいて、自分ひとりしか持っていないことがわかると、すごく挙動不審になります。飲み会後の移動のときとかも。堂々と一人さして行けばいいのに。
4.曲がり角
「この先で新しくなれる?」曲がり角 カーブミラーに自分は見えず
カーブミラー萌えです。あの橙色を見るとテンションが上がります。この歌は、何となく語感から作って、後から自分で意味づけする感じでした。曲がり角の先=未来とすると、カーブミラーにも未来の自分が見えればいいのに、みたいな感じでしょうか。
5.しそ
真似をしてかじるとざりっと苦かった 君が必ず食べてたしその葉
刺身についてる、しその葉を食べるのが好きです。
6.紫陽花
雨けぶる薄闇の中ぼんやりと灯る紫陽花 こちらを見ている
青空の下でみる紫陽花はもちろんきれいなんですが、やはり雨の日とか少し暗いところで見るのが、らしいな、と。そして、あの半球体を形成している花が人の頭っぽいなと思って作りました。
7.つばめ
いつの間に現れてまたいなくなる 今日も視界を横切るつばめ
やけにあっさりした歌ができてしまいました。これ以上、思いつかなかった。
8.袖
半袖じゃ涙拭くにも短くて腕振り上げた初夏の失恋
袖=涙を拭く=失恋という古典的発想から。「腕振り上げた」は、こう、半袖で顔の汗ぐいっとぬぐう感じで、涙をぬぐったというイメージなんですが、これで伝わるのかどうか…。
9. 筍
空に伸び天を突き刺すはずだった筍の先に包丁を入れる
筍というお題ということで、筍について何か知っていることを頭をしぼって考え、筍って抜かずにそのままにしてれば竹になるんだなぁ、という発想をふくらませて作りました。筍を買ったことも、切ったこともないです…。
10.たらちねの
たらちねの母はいまだに母としてその身ふりゆく 祖母になれずに
やはり、自分が今、結婚に縁がない状態でいることは、常に自分の心に不安としてつきまとっています。「たらちねの」というお題のおかげで、その気持ちを「祖母になれないまま老いていく母」に仮託して詠むことができました。今回作った10首の中では一番思い入れがあります。
3度目の参加になりますが、いつも楽しんで作れています。さらにそれを人にも見ていただけるなんて、幸せなことだと思います。