緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

とりとめなく『鬼滅の刃』考 不死川とカナヲ

アニメ派の方はネタバレ注意です。

 

------------------------------------------------------------------------------

 

 

 昨日、無限列車編の放送があって、また鬼滅熱が高まってしまった。そうでなくても鬼滅のことは普段から考えているが。

 柱稽古のエピソード、鬼滅では数少ない"戦闘ではないシーン"でそれぞれのキャラが深められてすごく好き。で、最近よく考えているのが、不死川とカナヲのこと。カナヲちゃんがしのぶさんからあの計画と覚悟を聞かされる直前、カナヲちゃんは「これから風柱様の稽古に行って参ります」って言ってるんだよね。てことは、しのぶ姉さんの覚悟を聞いたあとに不死川さんのところへ行ってあの地獄の稽古を受けているわけで。カナヲは自分が強くならなければと必死だったと思うんだよね。(こっから妄想)風柱が全員コテンパンに伸しても、カナヲはぼろぼろになりながら立ち上がったかもしれない。最終的に不死川が終了を宣言しても、「まだあなたに一撃入れてません」と食い下がったかもしれない。

 そして、それを見た不死川さんはどう思っただろう。不死川さんは、弟の玄弥をどんな手を使ってでも鬼殺隊をやめさせたかったわけで。カナヲに稽古つけつつ、胡蝶はこの妹に最終戦に参加することを許したんだな…という思いがよぎったりしたかな。『まぁそりゃそうか、継子にしてるくれぇだし。この娘は才覚があるから…生き残れるかもしれねェ』って。そんなこと思ってカナヲを鍛えながら、けど本当は不死川もわかっている。才覚あるなしなんて関係ない。カナヲは鬼殺のために姉とともに戦いたかったし、しのぶはその気持ちがわかって心配しながらも尊重した。一方で不死川は、たとえ玄弥に才覚があろうと決して鬼殺の道に進ませたくなかった。

 でも実際に15巻を読み直したらこんな妄想は吹き飛ぶくらい不死川さんの絶対玄弥やめさせるの圧と勢いが強すぎた。不死川さん、あれだけ優しい人なので何も感じないなんてことは絶対ないんだけど、物思いなんて悠長なものは心の奥底に沈殿させて表に現れるのは常に暴風のような行動のみという感じ。目潰しとか、手段が最短距離過ぎる。柱って多かれ少なかれそういうところあって、目的を達成するための行動第一だから自分の思いとか後回しで一見異常に見えるし、そのぶん奥底にしまっている感情が表に出たときのカタルシスがすごい。

 不死川とカナヲといえば、幼少期の家庭で暴力があったというのが共通している。とはいえ、不死川の母親は優しい人で、恭梧はめちゃくちゃ横暴な父親というイメージだけど、カナヲちゃんのところは現代だとニュースでたまに報道されるような、本当に信じられないくらいのむごさ。人間性が想像できない。そういう違いはあるけど、お互いの事情を知らなくても何となくそういう幼少の傷を持つ人同士って相手に自分と同じ匂いを感じ取るんじゃないかという気がする。

 最後に伊黒さんの鏑丸を不死川がカナヲに譲ったエピソードはとても好き。不死川さん、周りの人のことをちゃんと見ているんだなと思う。そして行動が的確ですごい。