緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

「短歌の目」第十一回 9月

「短歌の目」再開第一弾、投稿します。

 

tankanome.hateblo.jp

 

 

挙式にて皆賛美歌を歌うなか「星の世界」を我独唱す

 

ドーシドレーラーソーファーミファソーレーーみんなで吹いた「威風堂々」

 

はちみつ

プーさんのハチミツかけて召し上がれ ちびくろサンボのバターつきパン

 

夜の川揺れる光の縞たちはことほぐ今日も生きていること

 

秋刀魚

嘴に箸は似ている 柔らかい秋刀魚の肉をついばんでいく

 

テーマ詠 秋 

「あの山、草が揺れてる」「あれは木よ」一番古い台風の記憶

 

 

 

 

 

もう一度上映してほしい 『逆襲のシャア』

今週のお題「映画の夏」

いま、スタジオジブリ総選挙というのが行われています。投票の結果、1位になった作品はスクリーンで上映されるそうです。(注:投票は8月28日まで)

red-turtle.jp

私は『もののけ姫』に投票しました。中学の時かなりロングランで上映されていたにもかかわらず観に行かなかったことを死ぬほど後悔してるからです。大画面で見たかったアシタカの勇姿、獣たち、圧倒的な描き込みの背景…。映画館の音響で聞きたかったアシタカセッ記。もし『もののけ姫』が1位になったら這ってでも見に行きます。でも、そうとう票が割れそうですし、厳しいかもしれません…。

 

そんな感じで、どうしてももう一度スクリーンで上映してほしいと願っている映画がもう一つありまして。『逆襲のシャア』です。『機動戦士ガンダム』で始まったアムロとシャアの物語に決着をつける完結編。DVDでもう何十回と観ているのですが、何度観ても飽きないし、ラスト・シーンにぐっとくる。輝くサイコフレーム、地球から観た宇宙(そら)の光景、あれをスクリーンで観られたら…。

逆襲のシャア』が上映されたのは1988年、私は当時5歳なので、どうあがいても観に行けなかった。で、1988年上映ということは、再来年の2018年に30周年なわけですよ!30周年記念にスクリーン上映、やってくれませんかね?リメイクは必要ありません。作品としての完成度が高いのであまり変えてほしくないし、映像も今上映しても遜色ない美しさだと思います。

まぁ、アムロとシャアの因縁を知らずにいきなり逆シャアを観るのは厳しいと思うので、その前にまずファーストの劇場版を上映するか、あるいはファーストのアニメ全話再放送するかしないといけませんが、そのへんはお任せします(個人的にはアニメ全話観るのがおすすめ)。ただただ私は逆シャアがスクリーンで観たい。その願いと祈りを込めてこの記事を書きました。

ゴジラの思い出 『三大怪獣 地球最大の決戦』

今週のお題「映画の夏」

 

シン・ゴジラ』の感想を読んでいて、ゴジラ映画を初めて観たっていう人がけっこう多くて驚いたのだけど、よく考えたら自分もそんなにちゃんと観ていたわけじゃなかった。映画館で観たのは『シン・ゴジラ』が初めてだし。ただ、父が怪獣好きで、その影響で弟は父と一緒に平成ゴジラを観に行ったりしていたので、テレビで放映されたときなんかは私も横からぼんやりと観ていた。

私が子供の頃(20年以上前)は、なぜか年末の深夜によくゴジラ映画の再放送をやっていた。それで、新聞のテレビ欄でその日に放映されることがわかったら、父にたのんで録画してもらった。その頃のうちのビデオデッキにはまだ録画予約機能がついていなかったので、番組が始まるちょっと前に録画ボタンを押して、終わったら停止ボタンを押すのだ。ところが父はよく寝落ちして、映画が終わった後も延々と録画されたりしていた。深夜のCMは長い。

そうやって地上波放送を録画したビデオテープに弟がタイトルを書いたシールを貼ってコレクションしていた。私と弟が一番繰り返し見たお気に入りは『三大怪獣 地球最大の決戦』だ。私にとってはこれが唯一おぼろげながら内容を覚えているゴジラ映画である。キングギドラが初登場した作品で、ゴジララドンモスラ(幼虫)の3怪獣が地球に襲来したキングギドラと戦うお話。子供心にわくわくするシーンが多い。うろ覚えながら印象に残っているシーンを挙げてみる。

 

「私は金星人です」と道端で主張し、キングギドラの襲来を予言する謎の女性。

その謎の女性をつけねらう男たちと主人公の男の間で突如始まる銃撃戦。

襲来するキングギドラ

小美人(ザ・ピーナッツ)が歌い、モスラを呼ぶ。

モスラが呼びかけ、ゴジララドンも集まるも、2怪獣は最初戦うことを拒否。モスラが懸命に説得する。モスラたちの会話を人間に通訳してくれる小美人。

「『何で俺たちが人間の味方をしなきゃならないんだ』ラドンも『そうだ、そうだ』と言っています」

モスラが、ゴジララドンを説得しています」

キングギドラ相手にけなげに立ち向かうモスラの姿を見て、ゴジララドンも加勢。

モスラゴジララドンの3怪獣の協力で、キングギドラを追い返す。

 

子供の頃の私はモスラによる説得の場面が大好きだった。小美人たちが通訳してくれるのもかわいい。大人のゴジラファンからすると、あの場面はちょっと子供染み過ぎてると感じるらしいけど。

でも悲しいことに子供の頭では大人の登場人物の会話内容についていけなくて、前半の人間ドラマパートがほとんど理解できていなかった。なので「私は金星人です」と言っていた女性は結局何者なのかとか、狙われていた理由はなんだったのかとか、あまりよくわかっていない。いま調べてみると、自称金星人は某国の王女で、5000年前にキングギドラに滅ぼされた金星から地球に逃れてきた人間(!!?)の末裔であり、冒頭の事故による記憶喪失の間に予知能力が目覚め、祖先からのメッセージを発していたらしい。真相がわかったらわかったで、なかなかとんでもない設定だった。彼女をつけ狙ってたのは王女暗殺団。そして主人公は王女の護衛を命じられた刑事だった。いや、主人公が刑事っぽかったり、“王女”という単語が出てきたりしたのは覚えてるんだけど、でもよくわかってなかった…。

自分的にお気に入りのシーンがあれば、ストーリー全体を理解していなくても、何度も見るんだな、子供って。

というわけで、もしゴジラに興味津々の子供がいて『シン・ゴジラ』を観るのはまだちょっと早そうだったら、『三大怪獣 地球最大の決戦』はおすすめかも。

 

「なつやすみの宿題 57577」 提出します

novelcluster.hatenablog.jp

 

 

夕焼けと青空のグラデーションを誰かと分かちたい帰り道

 

いつまでも終わらぬような夕暮れの朱鷺色消えてはしゃぐシグナル

 

 

 

君の持つペットボトルの水滴がひやりと染みたうなじの熱さ

 

君が食むソフトクリーム溶け落ちた地面はきっと甘いのだろう

 

 

 

給食と便所のにおい入り混じる廊下に並ぶ戦の写真

 

一度だけ蝉の羽化を見た夜のポラロイド写真どこにやったの?

 

 

漆原友紀原画展を見に岩国へ

行ってきました。

 

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蟲師』の漆原友紀先生の出身地である岩国で原画展が開かれるとのことで、これは絶対行きたい!と思い、日帰りで岩国まで行ってきました。ちなみに9月19日まで開催されているそうです。

会場が岩国シロヘビの館というところで、シロヘビの館って何だ?と行く前から気になっていたのですが、岩国はシロヘビの生息地だそうなんですね。昔からシロヘビにまつわる伝承も残っていて、そんな岩国のシロヘビについて楽しく学ぼうというのが、この施設の趣旨のようです。

そして、現地に行って初めて知ったのですが、その伝承を紹介する岩国白蛇物語のコーナーのイラストを、何と漆原先生が描かれているんです。これは実際行かないと見れないので、これを見ただけでも行ってよかったと思いました。五つの伝承それぞれに一枚絵が描かれており、はぁー、漆原先生の絵だ…雰囲気ぴったりだ…とうれしくてにやにやしてしまいました。単に地元のマンガ家だからというだけでなく、昔の日本の風景や、生き物でありながら怪異のようでもある白蛇という存在、これらを描くのに漆原先生ほどふさわしい人はいないなぁと、この組み合わせに感動しました。このコラボ思いついた人グッジョブ!そういえば『蟲師』でも白蛇のような蟲が描かれていましたよね。

さて、原画展の方ですが、こちらは常設展の一角にこじんまりと設けられているという感じで、作品数自体はそれほど多くなかったです。そもそもこのシロヘビの館自体がそれほど大きな建物ではないんですよね。でも、漆原先生のカラー原画を見られたので、それだけで興奮したし満足でした。全部『蟲師』関連ですが、私は見たことのない絵がほとんどだったかな。私は単行本派だったので、単行本の表紙くらいしかカラー絵を見たことないんですよね、そういえば。

常設展のシロヘビに関する展示もけっこう楽しかったです。シロヘビの中身の模型とか。身体が細長いと、臓器も細長くなるんですね…。ゲームとかクイズの機械も並んでて、素朴ながら凝っていて、楽しく遊んでしまいました。本物のシロヘビも何匹かいてガラスの外から見ることができます。かわいかったなー。

 

ここシロヘビの館は錦帯橋岩国城の間という観光地ど真ん中にあるので、原画展見にきたついでにさくっと岩国観光できちゃうのがとてもよかったです。行く前は原画展のことしか考えてなかったんだけど、来てみたら、あ、余裕で城にも行けるじゃん、って感じで。錦帯橋はそもそもここを渡らないとシロヘビの館に行けないしな…。

ありがたいことに天気がよかったので、錦帯橋と錦川、その背景の山々と空の色彩がそれはそれは美しかったです。学生時代にも一度、岩国観光したことあるのですが、たしかそのときは小雨が降っていた記憶があるので、ここまで感嘆するような美しさではなかったんだろうな。

 

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写真だとわかりづらいのですが、川面の色が場所によって異なっていてエメラルドグリーンだったり、碧色だったり。空や山が映り込んでいたり。

 

漆原友紀先生の描かれる深い緑、その原点はここ岩国にあったのだなと、実感した旅でした。