緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

短歌の目 第十二回 10月

間に合っ…た…。

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1.渋

生きていくことは汚れることだってスポンジに茶渋なすりつけつつ

 

2.容

生きていることを忘れて眠る日も受容体は開かれている

 

3.テスト

この漫画たまたま買ったの覚えてる  テストの終わった午後の本屋で

 

4.新米

新米を抱えて帰る  スーパーで他に何にも買えなかったよ

 

5.野分

野分すら秋を連れてはきてくれず半袖で歩く十月の夜

 

テーマ詠「空」

休日の職場の窓から見る空はどんな空より青くて嫌い

 

 

早稲田駅から永青文庫まで

先日、永青文庫に行ってきました。「歌仙兼定登場」ということで細川家ゆかりの刀が展示されるのでそれを見に行くのが目的でしたが、何より永青文庫という場所に行ってみたいとかねてより思っていました。永青文庫は細川家に伝来する歴史資料や文化財(細川コレクション)を所有する美術館で、少し前に日本で初めて「春画展」を開催したことでも話題になりましたね。春画展行きたかった…。

グーグルマップで調べたところ早稲田駅から徒歩15分とあったので、はりきって歩いたのですが、もっと長く感じました。道に不案内なせいもあると思うんですが。ちょうど早稲田大学関連の建物が並ぶエリアのど真ん中を突っ切って歩くかたちになり、行けども行けども早稲田早稲田。大隈講堂とか早稲田高等学校とか。道行く人も学生さんらしき人が多く、この早稲田エリアを抜け出せるのか不安になりました。敷地内に迷い込んで行き止まりになったりしないだろうか。

何とか早稲田エリアを抜け出して新目白通りに。そこを渡って目指す方角へと歩いたのですが、今度は昔ながらの静かな住宅街に突入してしまい、「え、こっちでよかったよね?」とまたもや不安に。地図を確認して、たぶんこっちで大丈夫だと思いながら歩いていると、川に行き当たりました。

 

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神田川

南こうせつ神田川だ!

 

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この辺の川沿いに住む人たちは、「窓の下には神田川」って感じなんですかね。そんな寂れたアパートはなさそうですが…。神田川は緑がかっていい感じに淀んでて、あの歌のわびしい雰囲気に合ってるなと思いました。春にはここが桜並木になるんですね。いいなぁ。

 

 

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神田川を渡ると、やっと永青文庫の案内表示が。

 

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と思ったらさらにこの坂道というか階段を上らないといけないんですね…。

 

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やっと着いた!

 

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瀟洒な建物、小高い丘の上の鬱蒼とした木々に囲まれた静かなロケーション。さすがは細川家だなぁ、と。中の展示も含めて、美へのこだわりと、それを維持して後世に伝えようとする意識というか使命感みたいなものが伝わってきました。代々、美への情熱が受け継がれてきた家なんですね。

 

「短歌の目」第十一回 9月

「短歌の目」再開第一弾、投稿します。

 

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挙式にて皆賛美歌を歌うなか「星の世界」を我独唱す

 

ドーシドレーラーソーファーミファソーレーーみんなで吹いた「威風堂々」

 

はちみつ

プーさんのハチミツかけて召し上がれ ちびくろサンボのバターつきパン

 

夜の川揺れる光の縞たちはことほぐ今日も生きていること

 

秋刀魚

嘴に箸は似ている 柔らかい秋刀魚の肉をついばんでいく

 

テーマ詠 秋 

「あの山、草が揺れてる」「あれは木よ」一番古い台風の記憶

 

 

 

 

 

もう一度上映してほしい 『逆襲のシャア』

今週のお題「映画の夏」

いま、スタジオジブリ総選挙というのが行われています。投票の結果、1位になった作品はスクリーンで上映されるそうです。(注:投票は8月28日まで)

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私は『もののけ姫』に投票しました。中学の時かなりロングランで上映されていたにもかかわらず観に行かなかったことを死ぬほど後悔してるからです。大画面で見たかったアシタカの勇姿、獣たち、圧倒的な描き込みの背景…。映画館の音響で聞きたかったアシタカセッ記。もし『もののけ姫』が1位になったら這ってでも見に行きます。でも、そうとう票が割れそうですし、厳しいかもしれません…。

 

そんな感じで、どうしてももう一度スクリーンで上映してほしいと願っている映画がもう一つありまして。『逆襲のシャア』です。『機動戦士ガンダム』で始まったアムロとシャアの物語に決着をつける完結編。DVDでもう何十回と観ているのですが、何度観ても飽きないし、ラスト・シーンにぐっとくる。輝くサイコフレーム、地球から観た宇宙(そら)の光景、あれをスクリーンで観られたら…。

逆襲のシャア』が上映されたのは1988年、私は当時5歳なので、どうあがいても観に行けなかった。で、1988年上映ということは、再来年の2018年に30周年なわけですよ!30周年記念にスクリーン上映、やってくれませんかね?リメイクは必要ありません。作品としての完成度が高いのであまり変えてほしくないし、映像も今上映しても遜色ない美しさだと思います。

まぁ、アムロとシャアの因縁を知らずにいきなり逆シャアを観るのは厳しいと思うので、その前にまずファーストの劇場版を上映するか、あるいはファーストのアニメ全話再放送するかしないといけませんが、そのへんはお任せします(個人的にはアニメ全話観るのがおすすめ)。ただただ私は逆シャアがスクリーンで観たい。その願いと祈りを込めてこの記事を書きました。

ゴジラの思い出 『三大怪獣 地球最大の決戦』

今週のお題「映画の夏」

 

シン・ゴジラ』の感想を読んでいて、ゴジラ映画を初めて観たっていう人がけっこう多くて驚いたのだけど、よく考えたら自分もそんなにちゃんと観ていたわけじゃなかった。映画館で観たのは『シン・ゴジラ』が初めてだし。ただ、父が怪獣好きで、その影響で弟は父と一緒に平成ゴジラを観に行ったりしていたので、テレビで放映されたときなんかは私も横からぼんやりと観ていた。

私が子供の頃(20年以上前)は、なぜか年末の深夜によくゴジラ映画の再放送をやっていた。それで、新聞のテレビ欄でその日に放映されることがわかったら、父にたのんで録画してもらった。その頃のうちのビデオデッキにはまだ録画予約機能がついていなかったので、番組が始まるちょっと前に録画ボタンを押して、終わったら停止ボタンを押すのだ。ところが父はよく寝落ちして、映画が終わった後も延々と録画されたりしていた。深夜のCMは長い。

そうやって地上波放送を録画したビデオテープに弟がタイトルを書いたシールを貼ってコレクションしていた。私と弟が一番繰り返し見たお気に入りは『三大怪獣 地球最大の決戦』だ。私にとってはこれが唯一おぼろげながら内容を覚えているゴジラ映画である。キングギドラが初登場した作品で、ゴジララドンモスラ(幼虫)の3怪獣が地球に襲来したキングギドラと戦うお話。子供心にわくわくするシーンが多い。うろ覚えながら印象に残っているシーンを挙げてみる。

 

「私は金星人です」と道端で主張し、キングギドラの襲来を予言する謎の女性。

その謎の女性をつけねらう男たちと主人公の男の間で突如始まる銃撃戦。

襲来するキングギドラ

小美人(ザ・ピーナッツ)が歌い、モスラを呼ぶ。

モスラが呼びかけ、ゴジララドンも集まるも、2怪獣は最初戦うことを拒否。モスラが懸命に説得する。モスラたちの会話を人間に通訳してくれる小美人。

「『何で俺たちが人間の味方をしなきゃならないんだ』ラドンも『そうだ、そうだ』と言っています」

モスラが、ゴジララドンを説得しています」

キングギドラ相手にけなげに立ち向かうモスラの姿を見て、ゴジララドンも加勢。

モスラゴジララドンの3怪獣の協力で、キングギドラを追い返す。

 

子供の頃の私はモスラによる説得の場面が大好きだった。小美人たちが通訳してくれるのもかわいい。大人のゴジラファンからすると、あの場面はちょっと子供染み過ぎてると感じるらしいけど。

でも悲しいことに子供の頭では大人の登場人物の会話内容についていけなくて、前半の人間ドラマパートがほとんど理解できていなかった。なので「私は金星人です」と言っていた女性は結局何者なのかとか、狙われていた理由はなんだったのかとか、あまりよくわかっていない。いま調べてみると、自称金星人は某国の王女で、5000年前にキングギドラに滅ぼされた金星から地球に逃れてきた人間(!!?)の末裔であり、冒頭の事故による記憶喪失の間に予知能力が目覚め、祖先からのメッセージを発していたらしい。真相がわかったらわかったで、なかなかとんでもない設定だった。彼女をつけ狙ってたのは王女暗殺団。そして主人公は王女の護衛を命じられた刑事だった。いや、主人公が刑事っぽかったり、“王女”という単語が出てきたりしたのは覚えてるんだけど、でもよくわかってなかった…。

自分的にお気に入りのシーンがあれば、ストーリー全体を理解していなくても、何度も見るんだな、子供って。

というわけで、もしゴジラに興味津々の子供がいて『シン・ゴジラ』を観るのはまだちょっと早そうだったら、『三大怪獣 地球最大の決戦』はおすすめかも。