緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

空想の彼ら

空想が好きである。というか、やるべきことがひと段落したときなんかにせずにはいられない癖みたいなものである。

一度し始めると途中でやめたくない。私が朝なかなか起きれないのは目が覚めないからじゃなくて、寝床で目が覚めてからの夢うつつの空想が気持ちいいからだ。赤毛のアンが想像に夢中になって家事をおろそかにしてしまう気持ち、よくわかる。

「料理には想像の余地がないんですもの」

わかる。

 

何か現実の心配事があるとしばらく空想がお休みになることもあるし、逆に現実逃避で空想しまくることもある。題材は好きな漫画のサイドストーリーやその後の話だったり(いわゆる二次創作)、自分のオリジナルのストーリー(一時創作)をひたすら考えていることもある。

最近、10年以上封印していたオリジナルストーリーをなぜか突然再開してしまった。

 

それは中学生(話が進むと高校生になる)の男女の青春もので、(元)不良少年とコミュ充な少女というありがちな設定である。大学時代にこの物語のセリフやイラスト、ストーリーなどのメモを書いたりしていたけど、いつしかやめてしまった。忙しくなったのもあるし、それ以前に、この題材で私は某雑誌のネーム持ち込み企画(地方出張版)に参加してしまったことがあるのだ。ほとんど拙い落書きで何のストーリーの起伏もない、ただ自分だけが心地よいものをプロの編集者に見せてしまい、それを指摘されてまぁ恥ずかしかった。それで封印してしまったのかもしれない(いま思えば)。

だからもうそれっきりだと思っていたのだけど、つい最近になってなぜか彼らの物語を脳内で再開してしまった。当時とはまた違う設定を付け加えたりしているけど、当時と同じく、自分だけが楽しい。

結局、人に読ませるという想定がないので、あまり登場人物にストレスをかけられない。あまりしんどい思いを愛着のある彼らにさせたくないし、何より私が解決策を考えないといけないのがめんどうくさい。なので、山場のない、一応葛藤する設定だけどいうほど葛藤していない話になってしまっている。それでもなぜか二人の学校生活や家庭生活、将来のことを考えるのが楽しくてしかたない。どうしてもうまくいくようにしてしまう。

10年以上ぶりに会った彼らのことがあのとき同様いとおしいのがうれしい。ずっと私の中に彼らはいたんだな、と思う。

客観的にはどんなにつまらない話でも、彼らをなんらかの形にしてあげられたらなと思っている。