緋綸子の雑記帳

私が誰かのブログを読んで楽しむように、見知らぬ誰かが私の記事を読んでくれたら。

誕生日とバッファロー

今週のお題「最近あったちょっといいこと」

 

先月、またひとつ年をとった。いよいよ30代最後の年である。親兄弟以外で誕生日を祝い合う友人はいなくて、その親兄弟も私が自分で「今日誕生日なんよ」と電話やLINEで主張したらそうだったねと祝ってくれるくらいで、ごく普通の一日の始まりだった。

まぁこんなもんだろうと思っており、すごく気にしているわけではないが、少しは気にしており、ちょっとさびしかった。それなら自分で少しでも記念になることをしようと思い、ひさびさにうたの日に参加したり、仕事帰りにコンビニのケーキを買ったりした。

そうこうしていたら夜、従姉から誕生日のお祝いと近況に関するメールが届いた。もう誰からのお祝いもないと思っていたので、非常にうれしかった。子供の頃から大人になった今も、優しいいとこのお姉ちゃんである。

それでわが身を振り返ってみると、筆不精であり、まめに誰かに連絡をとったりメールのやりとりが長続きするということがない。そんな性格で、人から誕生日のお祝いがないなどと寂しさを託っているのはずうずうしいかぎりである。

反省していたら、海外にいる友人とのLINEのやりとりが途切れたままだということを思い出した。急いで返信が必要な内容というわけではなく、なんとなく向こうの生活などについての雑談が続いていたところだった。彼女はカナダにいるということは聞いているのだが、どの都市に住んでいるのかまでは聞いていなかったので、時差がどれくらいなのかわからず、LINEを送るタイミングが難しかったのだ。カナダは広いので国内でもタイムゾーンが複数あり、東と西で最大5時間も異なる。どのタイムゾーンであっても彼女が起きているであろう時間で私も起きていてLINEを送る余裕のある時間となると、朝か夜遅くしかなかった。互いに間隔をおいてやりとりしていたが、彼女からの送信を最後に途切れていた。

それで彼女にその返信を送ってみた。そうしたら1週間後くらいに返信が来て、なんとバッファローの歩く姿の動画も送ってくれた。ゆうゆうと歩くバッファローとそのバッファローすら小さく見える広大な風景は今の自分にはあまりにも遠い世界で、LINEをやりとりする彼女の身近にそのような場所があるのが不思議でならなかった。しばらくバッファロー談義に花を咲かせた。

バッファローの動画は、なんだか時間の流れが違うようで見るたびに心が落ち着く。友人は私の誕生日のことは知らないだろうけど、私にとってはとてもうれしいプレゼントだった。